
タイトルを見て、「まさか」と思った方は多いのではないでしょうか。
私自身、正直最初は「まさか」とおもいました。しかし、このまさかの内容が国立がん研究センターの予防研究グループから発表されました。
今回この発表をした、国立がん研究センターの予防研究グループ『多目的コホート研究』は
いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究
食物繊維摂取量と死亡リスクの関連 (国立がん研究センター 予防研究グループ)
を行っているところとのことです。
そして、そこで発表されたのは『食物繊維』の摂取量が多い人ほど死亡リスクが低いという内容です。
『食物繊維』の摂取量が多い人ほど死亡リスクが低い
食物繊維は便秘予防などの整腸効果や、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下などの効果あり、健康に欠かせないものと言われています。しかし同時に、食物繊維はほとんどの日本人に不足しがちな食品成分でもあります。
そして、その不足しがちな食物繊維をしっかり摂取することにより、あまり摂取していない人と比べて2割ほど死亡リスクが低いという研究結果がでたのです。
『食物繊維』を摂取する食品も重要
食物繊維を多くとると死亡リスクが約2割低いという結果ですが、食物繊維をどこから摂取するかという、摂取元の食品も重要だと言われています。
具体的には、『豆類、野菜類、果物類』から食物繊維を摂取している人は死亡リスクが低いことが確認されていますが、『穀類』から食物繊維は摂取している人にはその傾向がないとのことです。
つまり、『豆類、野菜類、果物類』から食物繊維を多く摂取することが重要ということです。
1日の摂取量目安は1日あたり20g以上
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、食物繊維の1日あたりの「目標量」は、18~69歳で男性20g以上、女性18g以上となっています。※1
しかし最近の報告によると、現在の食物繊維の平均摂取量は一日あたり14g前後で目標量から大きく不足しています。
まずは目標量を摂取することを目標にしていきましょう。
有効な食物繊維を多く含む食べ物
では具体的にはどんな食品を意識して摂取していけばいいのか、各食品に含まれる食物繊維の量が比較的多いものを以下にまとめました。(各100gあたり)※1
- ごぼう 5.7g
- グリーンピース 7.7g
- きくらげ(乾) 57.4g
- しいたけ 3.5g
- アボカド 5.3g
- りんご 1.5g
- いんげん豆(乾) 19.3g
- 挽きわり納豆 5.9g
- ごま 12.6g
- わかめ(乾) 32.7g
正確な摂取量を割り出すことは難しいですが、食物繊維を豊富に含む食品を意識して摂取することが大事になってきます。上記の数値を目安に、積極的に摂取していきましょう。
まとめ

食物繊維は血圧・血中脂質・インスリン抵抗性などに良い効果があり、健康に良い食品成分です。しかし、1日当たりの目標量を下回っている人が多いのが現状です。
食物繊維は植物性食品である海藻類、豆類、野菜類、きのこ類、果実類などにたくさん含まれています。これらを意識して多く摂取し、健康に気を付けていきましょう。
※1 日本食品標準成分表2015(文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会報告)
※食物繊維摂取量と死亡リスクの関連(国立がん研究センター 予防研究グループ 多目的コホート研究)